hiroomi1603の日記

自分の経験を素直に書こうと努力しています

商売人の親と蛙

久しぶりに昔の友人たちと飲みに行った。
集まったメンバーは過去も現在も就職とは無縁で、自営業とは名ばかりの仕事だったり、ほぼほぼ正社員とは名ばかりのフリーターみたいなサービス業従業員。私以外の三人は独身、一人は離婚歴アリ。
40代でこれなんで、完全な負け組です。


この雰囲気に、非常に帰りたい気分になりました。
長時間居ると悪いものしか引き寄せかねない。


しかし、このメンバーにあることを気付かされました。
それは全員が自営業者の長男であり、自由奔放に育てられ、好きなことばかりやってきた。失敗しても実家の商売がある。後を継げばいい。
そう思って社会に出たのです。

当時、飲食店経営者の、印刷業経営者の、葬祭業経営者の長男として産まれ育った。
私が彼らと出会った時、時代はバブル真っ最中で、小さな事業事業主でも景気が悪い様子はなかった。

彼らの親の子育てに共通すること、それは勉強しろ、大学へ行け、そういうことを言ってこなかった。

きっと自身も、大学進学がまだ珍しかった頃、最低限の学歴を持って、社会に飛び出し、その中で揉まれ、独立し小さな飲食店や会社を起こした。
今よりも景気が良くて、お店も上手く行き、家庭を持った。

右肩上がりの景気の時代に実力を勘違いしていた。

大して旨くなくとも、団地の近所で出前の電話はひっきりなしだったし、コストが掛かっても近所の会社の名刺やチラシ、カレンダーの注文は貰えたし、葬儀も見積もりサイトなんかあるわけなく、盛り放題。
生活が余裕で回る。

そして、好きなことをやって、ここまでこれた。
自分と同じ男に産まれたからには、この素敵なサクセスストーリーを感じさせたい、そう教育したのは当然かもしれない。
自分のやってきたことに自信があるのだ。

それから25年後、そのすべての事業は跡形もなく、就職しては長続きせず、実家の家業を手伝っては、またテキトーに仕事に就き、いつでも帰れる場所
家業に甘える。次第に自分が大して稼げないことに気付き、やがて親も経営がたち行かなくなる。

今、身の回りにいる、梯子を外されたひとたち。
最も人口の多いこの世代のどの街でも見られる人達かもしれません。